消化器内科について
当院では、食道、胃、大腸、胆のう、すい臓などの病気に関する専門的な診察・診療・管理も行っております。胆のう・胆管・すい臓などの腹部超音波検査も対応いたします。次のような症状がある方は、どうぞご相談ください。
このような症状の際にご相談ください
- のどのつかえ・違和感
- 胃の不快感・痛み、食欲不振、体重減少
- 胸やけ、呑酸、げっぷ、はきけ
- お腹の張り、腹痛
- 便秘、下痢
- 黄疸(からだが黄色くなる)
- 健診で消化器の異常を指摘された
など
主な消化器疾患
主な消化器疾患には、逆流性食道炎、食道がん、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、潰瘍性大腸炎、虚血性腸炎、過敏性腸症候群、大腸がん、胆管炎、胆のう炎、胆のうがん、慢性すい炎、すい臓がんなどがあります。
逆流性食道炎
主に胃酸が食道に逆流することにより、食道の粘膜がただれてしまう病気です。通常は食道の下端にある輪状の筋肉が胃内容物の食道への逆流を防いでいますが、その働きが低下することや、食道から胃へと食べ物を送る働きが低下することが原因です。肥満、脂肪分の多い食事、お酒、たばこなどが逆流を生じやすくする要因と考えられています。増えている病気であり、成人での発生率は10~20%とされています。
主な症状は、胸やけ、胸の痛みであり、胃の内容物が口まで上がってくるとのどの違和感を自覚することもあります。
診断は、主に問診と上部消化管内視鏡検査で行います。上部消化管内視鏡検査では、粘膜の炎症の程度や、他の疾患でないことが確認できます。
治療は胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬の内服です。症状が改善しても再発しやすい病気であるため、自覚症状がなくなっても生活習慣と食事に気をつけることが大事です。普段から、ベルトなどで腹部をしめつけすぎない、重いものを持たない、背筋を伸ばし前かがみにならない、お酒・たばこを控える、就寝中は上半身を高くする、などを心がけることが大切です。
食道がん
食道粘膜の表面から発生するがんで、食道の中央付近にできることが多く、ついで食道の下部に多くできます。進行が非常に早く、周囲への臓器やリンパ節への転移も起こりやすい厄介ながんの一つです。
高齢の男性に多いことが知られています。
初期には自覚症状はほとんどありません。進行するにつれて、飲食時のつかえるような感じやしみる感じ、痛みなどが出てきます。さらに進行すると、食物を満足に摂ることができないため、体重が減少します。
がんが粘膜にとどまる場合は、内視鏡で治療することができます。粘膜より下の層に達していた場合は、食道全層と周囲のリンパ節を摘出する開胸手術を行う必要があります。
早期発見には年1~2回の定期検診が不可欠です。特にたばこ・お酒を習慣としている方やお酒を飲むとすぐに顔が赤くなる方、極端に熱いものをよく食べる方は注意が必要です。
胃炎
急性胃炎はストレスや暴飲暴食、ピロリ菌の初感染などによって、胃の粘膜が傷つき、炎症を起こしている状態です。症状は激しい上腹部痛、吐き気、嘔吐、腹部膨満感です。
慢性胃炎の最大の原因はピロリ菌の持続感染です。症状がないことも多いですが、食後にむかむかしたり、もたれた感じを自覚することもあります。年齢とともに胃粘膜の萎縮が進み、胃がん発生のリスクが上がっていきます。ピロリ菌感染が上部消化管内視鏡検査で疑われ、検査で存在が確認された場合には除菌治療が適応になります。除菌治療は3種類の薬剤(抗菌薬2種類、プロトンポンプ阻害薬1種類)を7日間服用することで行います。抗菌薬に対する耐性の問題もあり、1回目の治療で除菌が成功しないこともありますが、2回目の治療で約9割の方が成功すると言われています。
胃・十二指腸潰瘍
ピロリ菌感染、消炎鎮痛剤などの薬剤、胃酸の分泌過剰などによって、胃や十二指腸の粘膜が傷つき、えぐれた状態です。空腹時に痛みが強くなることが多いですが、胃潰瘍であれば食後に、十二指腸潰瘍であれば空腹時に加えて夜間に痛みを感じる傾向があるとも言われています。十二指腸潰瘍では時に背中の痛みとして自覚することもあります。放置すると吐血したり、穿孔(穴があくこと)により腹膜炎を起こすこともあります。
強力な酸分泌抑制薬が開発されたこと、ピロリ菌感染者が減ったこと、などにより胃潰瘍、十二指腸潰瘍ともに年々減少してきています。
診断は上部消化管内視鏡検査で行います。
治療は酸分泌抑制薬の内服ですが、誘因を取り除くことも重要です。喫煙や過度の飲酒、強いストレスなどを避けるように注意しましょう。
胃がん
胃がんは、日本人に多いがんの一つであり、最近のがん統計では罹患数が男性で1位、女性では3位であり、死亡数は男性で2位、女性で4位です(国立がん研究センター がん情報サービス)。胃がんは胃の壁の内側をおおう粘膜から発生し、徐々に胃の壁の奥へと進んでいきます。
早期の胃がんは、それ自体による症状は無く、健診や人間ドックを受けた際に発見されるケースが多く見受けられます。
早期に発見・診断されれば内視鏡で治療することも可能です。内視鏡治療の適応に当てはまらない場合には、外科手術や化学療法が選択されます。
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に潰瘍ができる炎症性の病気です。直腸には必ず炎症を起こします。炎症は直腸から連続して口側に広がる性質があり、最大で結腸全体に広がります。30歳以下の成人に多く、免疫異常によるものと考えられています。症状は下痢、粘血便で始まることが多く、腹痛や発熱もみられます。治療は腸管の炎症や免疫反応を抑える薬剤の内服や注腸を行います。
虚血性腸炎
虚血性腸炎は、大腸の粘膜に十分な血液が流れなくなるために起こる病気です。ほとんどが一過性ですが、腸管が壊死してしまうような重篤なものもあります。ご高齢の方や、高血圧・糖尿病・腎臓病など基礎疾患のある方に発症しやすいと言われています。突然の強い腹痛で発症し、血便が続きます。治療は基本的に腸管の安静を保つことですが、手術を必要とする場合もあります。
過敏性腸症候群
大腸に病気がないにもかかわらず、お腹の痛みや不調があり、お通じの異常が数ヶ月以上続くときに考えられる病気です。下痢が主体であったり、便秘が主体であったり、下痢と便秘を繰り返したりといったタイプに分かれます。約10%の方がこの病気であると言われており、女性に多く、年齢とともに減ってきます。
大腸の病気がないことを内視鏡検査で確認することが必要です。治療は、生活習慣の改善が重要です。規則的な生活をおくり、睡眠・休養を十分にとるように心がけましょう。刺激物や脂肪の多い食べ物、アルコールは避けましょう。また、適度な運動も症状の軽減に効果的です。それでも症状が改善しない場合には、腸の運動を整える薬剤や乳酸菌製剤などを症状に合わせて内服します。ストレスなどが大きく関与していると考えられる場合には、心理療法が有効なこともあります。
大腸がん
大腸がんは大きく分けると、結腸がんと直腸がんの二種類があります。盲腸からS状結腸までにできるがんを結腸がんと呼び、直腸から肛門までにできるがんを直腸がんと呼びます。どちらも腸の粘膜から発生するがんで、総称して大腸がんと呼ばれています。日本人ではS状結腸と直腸にがんができやすいと言われています。
大腸がんも日本人に多いがんの一つで、最近のがん統計では罹患数が男性で3位、女性では2位であり、死亡数は男性で3位、女性では1位でした(国立がん研究センター がん情報サービス)。
発生のリスクになるものとして、加工肉を含めた肉類の摂取、飲酒、喫煙、肥満などが考えられています。
早期には自覚症状はほとんどありません。進行すると、血便が出る、便が細くなる、などの症状が現れ、さらに進行すると腸閉塞を起こすこともあります。
早期発見された場合には内視鏡で治療することも可能です。検診での便潜血検査を受け、陽性であった場合には大腸内視鏡検査を受けましょう。
胆管炎
肝臓で作られた胆汁という消化液を十二指腸まで運ぶための管を胆管といい、十二指腸の手前では総胆管という1本道になっています。
胆管に感染が生じた状態を胆管炎といい、結石が総胆管につまって起きることが大半です。総胆管がつまってしまうと、胆管内に腸内の細菌が感染し、右上腹部痛、発熱、黄疸などの症状が現れます。肝臓の中では胆管は血管と非常に近いところにあるため、胆汁中の細菌は容易に血液中に飛び出していき、敗血症という状態に陥ります。そうなると、意識障害を起こすことやショック状態になることもあります。治療は抗菌薬の投与や全身状態の管理に加えて、胆道ドレナージといって胆汁の逃げ道を作ることが必要になります。
胆のう炎
胆のう炎は、胆石(胆汁中の成分が胆道内で固まったもの)が関係しているものが多く、胆石で胆汁の流れが停滞することにより生じます。急性胆のう炎と慢性胆のう炎があります。
急性胆のう炎は突然の右上腹部痛で発症し、胆のうに液体がたまり、胆嚢の壁が厚くなります。胆のう内に胆泥がたまることもよくみられます。
慢性胆のう炎は痛みの発作を繰り返しますが,痛みは急性胆のう炎ほど重度ではありません。炎症を繰り返すことで、胆嚢が萎縮して小さくなります。
診断は主に症状と画像検査で行います。胆嚢結石の検出や胆嚢の壁の状態を判断するには腹部超音波検査が有用です。
急性胆嚢炎では手術のリスクが小さければ胆嚢摘出が行われます。
胆石の形成を未然に防ぐためには生活習慣や食事内容も重要です。肥満、糖尿病、脂質異常症などに注意しましょう。肉や魚のきもなどのコレステロールの多い食物を避けましょう。動物性脂肪をとり過ぎないようにして、青魚を多くとるようにしましょう。
胆のうがん
胆のうの粘膜から発生するがんであり、10mmを超える大きな胆嚢ポリープで増大傾向のあるもの、粘膜の表面からなだらかに隆起している病変は、胆のうがんの可能性が高いと考えらえます。
胆のうがんと胆管がんを合わせた数ですが、最近のがん統計では罹患数が男性で9位、女性では10位であり、死亡数は男性で8位、女性では7位でした(国立がん研究センター がん情報サービス)。
初期には無症状です。進行すると右上腹部痛や体重減少などがみられ、胆管ががんによって閉塞してしまうと黄疸が現れます。
切除可能な場合は外科手術が行われます。胆のう壁のどれくらい深くまでがんが及んでいるか、肝臓に浸潤しているか、などにより術式が決まります。切除不可能な場合には化学療法が行われます。
慢性すい炎
すい臓に繰り返し炎症が発生し、細胞が破壊され、萎縮していく病気です。すい臓がもっている、食べ物を消化する働きと血糖をコントロールする働きの両方が徐々に衰えていきます。
原因として最も多いのはアルコールで、長期間にわたり大量のお酒を飲んだ方に起こります。40~50歳代で発症することが多く、腹痛や背中の痛み、消化不良、糖尿病などを引き起こします。
診断は症状・飲酒歴などの問診、画像診断によりなされます。
治療方針は病気の進行具合によって異なります。痛みに対しては鎮痛薬や蛋白分解酵素阻害薬、消化不良に対しては消化酵素薬を用います。糖尿病を発症してしまった場合には、それに対する治療も必要となります。
すい臓がん
すい臓にはすい液という消化液を作る働きがあり、すい液はすい管という管を通って十二指腸に運ばれます。すい臓がんの9割以上はすい管の細胞から発生します。すい臓は胃の後ろ、体の深部に位置していることから、がんの早期発見は簡単ではありません。
最近のがん統計では罹患数が男性で7位、女性では6位であり、死亡数は男性で5位、女性では3位でした(国立がん研究センター がん情報サービス)。他の臓器のがんと比較して、最も予後が悪いがんです。
初期には症状が出にくく、進行すると食欲不振、体重減少、背中の痛み、黄疸などを起こします。
診断は腹部超音波やCT、MRIなどの画像検査で行われます。
治療方針はがんの大きさや広がり、リンパ節・他臓器への転移の有無により決まります。標準的な治療法は外科手術、化学療法、放射線照射であり、これらの1つ、あるいは複数を組み合わせた治療を行います。
医療概要
- 診療科目
- 内科・消化器内科
- 住所
- 〒326-0056 栃木県足利市大町12-2
- TEL
- 0284-40-1500
- 最寄駅
- JR足利駅より徒歩5分
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